ウォール街は、年末にかけて強力な上昇相場が訪れる可能性に備えている。ウェルズ・ファーゴのアナリストは、幅広いリスク資産が連動して上昇すると予測している。同銀行のオーソン・クォン氏率いるチームは、季節的な追い風、AI主導の投資モメンタム、政策支援、消費者向け景気刺激策などの複合要因を挙げ、S&P500が年末までに7,100ポイントに達すると見込んでいる。
強気予測の背景にある5つの理由
1. 低迷銘柄の反発が見込まれる
ウェルズ・ファーゴは、市場の季節性を主要な要因として指摘している。10月に税還付が終了すると、歴史的に見てパフォーマンスの低かった銘柄は反発する傾向がある。データによれば、1月から10月までに最もパフォーマンスが悪かった銘柄は、11月から1月にかけてS&P500を平均3.9パーセンテージ・ポイント上回り、その成功率は66%に達する。つまり、市場で低迷していた銘柄にもようやく日の目が当たる可能性がある。
2. AI関連設備投資はまだ序盤
AI投資サイクルは引き続き中心的なテーマである。アナリストは、ハイパースケーラーが2026年まで設備投資を加速させ、債務による資金調達の役割が大きくなると予想している。現在、クラウドプロバイダーの設備投資のうち債務で賄われている割合は約8%に過ぎず、過去のサイクルと比べてはるかに低い水準だ。ウェルズ・ファーゴは、このAIブームはまだ「4回表」に過ぎず、中盤戦ではさらなる波乱が訪れる可能性があると主張している。
3. IEEPA関税訴訟が再インフレを引き起こす可能性
11月5日、米国最高裁判所は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて課された関税に対する異議申し立てを審理する。もし覆されれば、政府は最大1,600億ドルの関税を還付することを余儀なくされる可能性がある。ウェルズ・ファーゴは、このような判決が「再インフレ/財政的不確実性取引」を引き起こし、ボラティリティを高める一方でリスク資産を押し上げると予想している。
4. 「ビッグ・アンド・ビューティフル法」による税還付景気刺激策
いわゆる「ビッグ・アンド・ビューティフル法」は、納税者1人当たり800〜850ドルと推定される還付を通じて、消費者に大きな後押しをもたらす可能性がある。ウェルズ・ファーゴによれば、これは米国のGDPの約45ベーシスポイントに相当する。アナリストは、この景気刺激策が消費支出を活性化させ、年末に向けて再び再インフレ取引を引き起こす可能性があると考えている。
5. 政府再開の効果
現在の政府閉鎖が11月上旬に終了すれば、米国史上最長となる。歴史的に見て、政府再開後の1か月間でS&P500は平均2.6%上昇している。データ発表が遅れたとしても、ウェルズ・ファーゴは、こうしたシナリオでは「悪いニュースがないことが良いニュース」となることが多いと指摘している。
結論
季節的な反発、AI主導の設備投資、関税還付の可能性、消費者向け景気刺激策、政府再開といった複数の要因が重なり合うことで、ウェルズ・ファーゴは広範な上昇相場が形成されると見ている。財政政策や貿易紛争を中心にリスクは残るものの、同銀行は年末にかけての環境はリスク資産に有利に働くと確信している。
投資家にとってのメッセージは明確だ:継続するAIブームと季節性、景気刺激策が組み合わさった時の力を過小評価してはならない。