アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD-US)は、人工知能(AI)とデータセンター事業に注力する長期ロードマップを発表し、11月11日(火)の時間外取引で株価を約5%押し上げた。2022年以来となるアナリストデーで発表されたこの計画では、リサ・スーCEOが、同社の技術パイプラインと市場ポジショニングへの自信を示す野心的な目標を明らかにした。
成長目標:高みを目指す
AMDの予測は以下の通り:
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今後3~5年間の売上高CAGR(年平均成長率)35%超
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非GAAP営業利益率35%超
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非GAAP一株当たり利益(EPS)20ドル超
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データセンター売上高CAGR 60%超
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AIデータセンター売上高CAGR 80%超
スーCEOは、2030年までにデータセンター向けチップ市場が1兆ドル規模に達する可能性があり、AIが主要な成長ドライバーとなると強調。CPU、ネットワーキングチップ、専用AIアクセラレーターを網羅するAMDの製品ポートフォリオは、この巨大な市場機会を捉える強力なポジションを提供する。
データセンターの成長勢い
AMD戦略の中心はInstinct GPUライン、特にMI350シリーズで、同社史上最速の成長製品と位置付けられている。オラクル・クラウド・インフラストラクチャーなどの主要クラウドプロバイダーに既に導入されており、高性能コンピューティング分野でのAMDの存在感を高めている。
今後は、2026年第3四半期にMI450 GPUを搭載した次世代「Helios」システムの投入を計画。この展開により、サーバー市場シェアを50%超へ拡大することが期待されている。
コンシューマー・ゲーミング分野の見通し
AIとデータセンターが注目を集める中、AMDはコンシューマー・ゲーミング市場でも着実な成長を見込んでいる。AMDチップを搭載した10億台以上のゲーミングデバイスを背景に、コンシューマー分野の売上高シェアを40%超に引き上げる計画。組み込みシステム、コンシューマーデバイス、ゲーミング分野はCAGR 10%で成長し、収益基盤の多角化を図る。
アナリスト・市場の反応
このロードマップは、AI関連株の広範な軟調の中で通常取引で2.65%下落したAMD株を回復させる一因となった。投資家は、特にデータセンターとAI収益に関する野心的な目標を含む長期成長戦略の明確化を評価。
アナリストは、AMDの予測がNVIDIAのAIチップ市場での支配的地位への挑戦意欲を示していると指摘。NVIDIAがAI GPU市場の90%以上を依然支配する中、AMDは拡大するパートナーシップと新製品投入で着実にシェアを獲得しつつある。
結論
AMDのアナリストデーは、同社のメッセージを再確認するものとなった:AI需要は急拡大しており、AMDはその需要を満たす中心的なプレイヤーとなることを目指す。野心的な成長目標、強力な製品展開、拡大するパートナーシップにより、同社は高性能コンピューティングの新時代に向けたポジショニングを強化している。
投資家にとって、このロードマップは安心材料であると同時に、AMDの将来が熾烈な競争が繰り広げられるAI・データセンター市場での実行力にかかっていることを示すものである。