キャシー・ウッド(ARKインベスト創業者)は、市場の変動を好機と捉える「ディップ買い」戦略で知られるが、今回も市場のボラティリティに積極的に応じた。彼女が運用する主力ETFは、CoreWeave(CRWV-US)の350,734株(約2,400万ドル相当)を購入した。同株は直近のセッションで約30%下落し、6カ月ぶりの安値を記録していた。
ポートフォリオの調整
ウッドの最近の動きはCoreWeaveに限らない。彼女は複数のポジションを整理した:
-
GitLab(GTLB-US): 670,144株を2,849万ドルで売却。
-
Exact Sciences(EXAS-US): アボット社による210億ドル買収発表後、227,153株を2,287万ドルで売却。
-
Iridium Communications(IRDM-US): 169,485株を268万ドルで売却。
-
AMD(AMD-US): 1,623株を334,370ドルで売却。
一方で、ウッドはNvidia(NVDA-US)への確信を維持している。8月には93,374株(約1,700万ドル相当)を追加購入しており、セクターの変動にもかかわらずAIインフラへの注力を強調している。
AIインフラにおけるCoreWeaveの役割
CoreWeaveはNvidia GPUを搭載した大規模データセンターを構築し、AI企業にコンピューティング容量をリースしている。Nvidia自体も主要株主であり、CoreWeave株2,428万株(約33億ドル相当)を保有。これはCoreWeaveの総株式の約6%に相当する。
9月には、NvidiaとCoreWeaveが63億ドルの契約を締結。Nvidiaは2032年まで未販売のクラウド容量を取得する。NvidiaのCEOジェンセン・フアンは、CoreWeaveを同社のAIエコシステム内における「優れたスタートアップ」と称賛している。
今後の課題
戦略的重要性にもかかわらず、CoreWeaveは投資家の期待に応えられていない。第3四半期の売上高は13億6,000万ドルに増加したが、会社は依然として赤字で、1株当たり0.22ドルの純損失を計上した。経営陣は2025年の売上高予想を50億5,000万ドル~51億5,000万ドルに下方修正。これはウォール街のコンセンサスを下回る。
これらの弱い見通しが市場心理を圧迫し、直近の売り圧力につながったが、ウッドはこれを買い場と捉えた。
ウッドのAIへの確信
ウッドはAIセクターが調整局面に入る可能性を認めつつも、長期的な成長軌道には自信を示している。彼女の動きは、評価が十分に行き渡った、あるいは相対的に弱いポジションを整理しつつ、AIインフラに直接関連する企業への投資を強化する戦略を示唆している。
Nvidiaに加えてCoreWeaveを購入することで、ウッドはARKインベストが、短期的な変動が投資家を揺るがす中でも、次のAI需要の波から利益を得られるようポジションを構築している。
結論
キャシー・ウッドの最新の取引は、他者が引き際を探る中で、リスクを取る姿勢を浮き彫りにしている。CoreWeaveは収益性の課題や下方修正された業績予想を抱えるが、Nvidiaとの深い関係とAIインフラにおける役割は、戦略的な投資対象としての価値を示している。
投資家へのメッセージは明確だ:ウッドは、道のりが平坦でなくとも、AIインフラを長期的な成長ストーリーと見なしている。